知の流動化

久々のブログ更新です。

色々書きたいことはあったものの、家にネット回線を引くのが遅れたりPCが古かったりで先延ばしにしていました。
が、先日MacBookProを購入して我が家にも21世紀が到来したのでウェブ上での活動を再開します。


3月にフィリピンに行って思ったことなど、書きたいトピックはちょこちょこあるんですが、とりあえず優先順位とか時系列は無視して思いついた順に出してゆくことに。


というわけで、ひとまず最近知的財産マネジメント研究会/smipsに参加していて学んだこと、考えたことからスタート。


先月、今月と続けて話題になったのはIntellectual Venturesという会社 (以下IV)。


正しく理解できてるかわからないけど、以下のような特徴をもつらしい。

  • 世の中に必要な課題とか今後必要となる発明を見極め、それを達成するのに必要な要素を抽出する。
  • 具体的なアクションとして、関連する特許の買い上げ、課題達成に貢献できる発明者のネットワーキングなどを行う。
  • 単なるパテント・トロールのように見られることもあるらしいが、訴訟を起こしたりして賠償金を稼ぐのではなく、課題解決に向けて特許や人を最大限に活用しようとしているらしい。*1
  • 資金力が桁違い。マイクロソフトインテルの元幹部を含む4人で創業しており、5000億円の出資金をもつ。


ひたすら優秀な人材を集めて世界に必要な課題を洗い出し、それを実行する知を結集させて実行する、みたいなイメージを持った。
知を流動化させ、ととのえ、正しい方向に向けるような役割をしようとしているらしい。


産・学・官の連携とかよりもダイナミックな知の連携、所属を超えた発明者の連携を生む新しいシステムとしてのワクワク感もある一方で、その胴元をこの人たちに任せちゃって大丈夫なのかな?という不安もある。


これから必要となる発明の標準をIVにがっちりつくられてしまったら、そこに入り込めない企業はグローバル・スタンダードから取り残されて潰れるかもしれない。


一方で、伝染病の対策とかがIVの介入によって加速して解決が早まったら、それは全体にとって幸せなことかもしれない。


いい悪いの境界は定められないけど、「課題を解決」した先にある「理想的な世界」の姿は人によって違うわけで、「IVの見ている先がどこにあるのか」、によって「誰の幸せにつながるのか」ということも変わるのだろうと思う。


個人的には、知の流動化には賛成なんだけど、IVトップダウンでまとめるより、個々人が情報を発信しあってつながる方が面白いかなと思う。


どうやんのか、ってのは難しいけど、マイナーなとこから素敵なものが生まれる方がわくわくしませんか?


とりあえず言えそうなことは、これからIVみたいな組織が成長することで、自社開発主義が主流のころよりも個人の知がオープンにつながって流動化する流れはどんどん加速するんだろうなーということ。
そして、日本はその流れには遅れているらしいということ。


上記の「オープンにつながって流動化」は優秀で考えたりなにかつくったりが好きな人にとっては心地よい環境である可能性が高いので、その流れに「日本が遅れている」としたら「優秀な人は日本から出てゆく」傾向が強まるのかな、と思う。*2


別にどうなるかなんてわかんないし、ぼく自身は機械系に就職したけどハンダ付けすらままならなかったり、回路を組んでみてダイオードが光っただけでも嬉しかったり、というレベルなので、仕事して勉強して力をつけるしかなさそうです。


いいものを生み出す輪の中に自分が入ることを夢見つつ、がんばります。

*1:あと、ふつうは自社開発をしないパテント・トロールと違い、IVは研究開発組織も抱えているし、子会社に原子力関係のテラ・パワーも持っているみたい。

*2:ただ、全世界をつなぐ知のネットワーク、みたいな話の中で「日本」という枠組みで考えることが妥当なのかどうかはちょっと疑問ではある。そして、日本が遅れている、という僕の意見にも明確な根拠はない。