雑記:村上春樹の新刊を読んで
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読んだ。
まだ一度しか読んでないので、書評と言うよりは連想的に浮かんだ雑感を書く。
村上春樹の本に通じるテーマの一つに、
人生には素敵な時間があること
それは全く理不尽な力で損なわれてしまう場合があること
そのばあい、二度と完全なかたちで戻ってくることはないこと
があると思う。
それでも、その時間には価値がある
ということばが後に続くような気がするが、それは解釈によって違うのかもしれない。
僕個人の希望としては、そう考えたいと思っている。
失われてしまったものも、もともと持ち合わせていなかったものも含め、
自分にはさまざまな欠落がある。
そういったものと向き合うのは辛いし、フタをしたくなることも多い。
あまり真剣に向き合いすぎるのも、いささか危険を伴う。
だから、少しずつ取り出し、前向きなかたちで昇華するような作業を、
自分のペースで続けようと思う。
祖父母の家を訪ねる旅路で、そんなことを考えていました。