陰褒めのススメ

陰口を減らして陰褒めをすると良い。


ということを、どこかで読んだことがある。
会社で仕事をするようになってから、陰口が与える悪影響についてはかなり実感していたが、陰褒めの効果についてはあんまりピンときてなかった。


このまえ比嘉さん (id:Ryu-Higa) と会ったときも、陰口ってのは怖いよねという話が出た。
何が怖いって、Aさんの悪口を聞くと、「私はAさんが嫌いである」という感情がいつの間にかインプットされていることに気づくから。知らぬ間に悪意が伝染している。
脳科学は良く知らないけど、ミラーニューロンとやらが働いてるのかな。


で、同じような考えに基づくと、Aさんを陰で褒めれば、Aさんに対する好印象が第三者に広がる、ということになる。
誰だって「けなされていたAさん」に会うよりは、「褒められていたAさん」に会う方が気分が良いだろうし、緊張も少ないだろう。


というわけで、陰褒めをすれば全体の雰囲気は良くなって、例えば会社なら仕事の効率も良くなるんじゃないか、という仮説が立つ。
(なんとなく言いづらいから、という理由で伝えた方が良いことを伝えないで、結果として効率が下がるみたいなことは、まあ、よく見かける。。)
なるほどね。
ひとりで納得した。


もう少し考えを進める。
なぜ僕は陰口の悪影響には気づいて、陰褒めの効果には気づいていなかったのだろう。


明白な理由の1つは、陰口の方が多いから。
誰かを批判するってのは手軽で気持ちの良い行為である。なんたって「批判している自分」を優位に置くことができるし、陰だからカウンターを喰らうこともない。
だから、陰口は多い。
でも、先に書いたような理由で、負の効果があるのは多分間違いない。
(ま、うまく笑いに昇華できれば陰口にも愛がこもってそんなに悪くなかったりするけど)


逆に陰褒めの効果に気づかなかった理由は、それを意識的にする人はとても少ないから。
そして、その状況に、自分が染まっていたということだと思う。
結局自分も、「陰口をたたく人」を批判するという本末転倒なことをしていたのかもしれない。
みんなに陰口を叩かれてる人の美点をみつけて、褒めるという行為の方が、やるべきことだったのだろう。
やりにくいことをやらないと、あまり価値がない。


ちょっと飛ぶけど、国でも、「仕分け」より「良い組織の発掘」の方が難しくて価値のある仕事なんじゃないかなという気がする。
発掘した組織に人気が集まれば、仕分けは自然に行われるという考えで、気の長い取り組みをした方が、大変だけど実りがありそうだ。そして、別にやるのが政治家である必要はない。


ま、とりあえずは自分の行動から少し変えてみようかなと思う。
Twitterで済ませそうになったけど、ちょっと深掘りしてみたかったのでブログに書いてみました。
わかってる人には当たり前の話かもしれないけど。